その保険、解約するよりも・・・

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解約するより払済!?

家計の負担を軽減したり、保険料を安くするために、保険の見直しをする人が増えていますが、その際、いままで入っていた保険はどうしたらよいと思いますか?
解約すると考える方が多いのではないでしょうか?

しかし、実際は「解約」するより「払済(はらいずみ)保険」にしたほうが、ずっと有利になることがありますので、今日はそれに触れてみます。

払済保険とは、なんらかの事情で払込完了まで保険料が払えなくなった場合(払わなくなった場合)に、その後は保険料の負担なしで、保険金額を削減して保障を続けることをいいます。ちなみに加入時の保険期間はそのままで、付加している特約は消滅します。

払済保険への変更イメージ

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解約にするか、払済にするか?

解約と払済保険のどちらが有利かについて具体的な例でご説明します。

●学資保険の例

将来の大学進学資金の目的で、子供が生まれた時に加入。18歳で満期金200万円がもらえる保険。

被保険者:子供10歳(加入時年齢 0歳)
満期:8年後(子供18歳時)
満期金:200万円
月額保険料:10,400円

既払い保険料累計額 1,248,000円
現在の解約返戻金 1,164,320円(返戻率 93.29%)
払済保険に変更後の満期金 1,320,670円(返戻率105.82%)

加入後10年間に支払った保険料累計額は約125万円で、もしいま「解約」してしまうと約116万円しか戻ってきません。ところが「払済保険」にすれば、8年後に約132万円を受け取ることができるという訳です。解約するより払済保険にすれば約16万円も有利になります。

●養老保険の例

30歳の時に老後資金の目的で加入。60歳で満期金500万円がもらえる保険。(万一、途中で死亡した場合は500万円の保険金が出る)

被保険者:男性40歳(加入時年齢 30歳)
満期:20年後(60歳時)
満期金額:500万円
月額保険料:12,690円

既払い保険料累計額 1,522,800円
現在の解約返戻金 1,403,500円(返戻率 92.16%)
払済保険に変更後の満期金 1,917,000円(返戻率125.88%)

これまでに支払った保険料累計額は約152万円です。もしいま「解約」してしまうと返戻金は約140万円です。ところが「払済保険」にすれば、満期の60歳時に約191万円を受け取ることができます。解約なら返戻率は92.16%ですが、払済保険なら20年後ですが125.88%です。

このように、終身保険・学資保険・養老保険などは、加入後一定期間が経過していると「払済保険」にすることができるものがあります。どうしてもすぐに資金が必要な場合などを除いて、解約より払済保険の方が有利になることが多いということができます。

理由は、払い済みに変更した時点から満期までの残存期間、解約返戻金に運用益がつくからです。この場合の利率は契約時の予定利率が原則です。(ただし、残存期間の保障に充当される分は差し引かれます)

このような払済保険への変更は、解約返戻金があるタイプの保険に限り可能です。医療保険など掛け捨て型の保険の場合は払い済みはできません。

一方、最近多い商品に「低解約返戻金型の終身保険」がありますが、この場合は払済保険にしてもメリットが小さくなりがちです。

延長保険という方法も

保険の見直しには、払済保険以外にも「延長保険」という方法もありますので、ご紹介しておきます。

加入後なんらかの事情で満期までの保険料が払えなくなった場合(払わなくなった場合)に、その後の保険料負担はなしで、加入時の保障額はそのままにして、保険期間を短縮して保障を続けることを延長保険といいます。

延長保険への変更イメージ

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見直しの4つの方法

保険見直し時のいままで入っていた保険の取り扱い方法は、ここまでみてきたように解約だけでなく、いくつかの方法があります。一般的には次のように4つの方法があります。

①解約
②払済保険
③延長保険
④減額

④の「減額」とは保険金額を減らして保険料を減額するという方法です、

4つの方法のうちどれが良いかは、家計の状況や今後の見通し・希望などを考慮し、場合によってはFPに相談したり、ライフプランのシミュレーションをした方が良いこともあります。

保険の見直しの判断をする場合には、新しい保険の話だけで決めるのではなく、さまざまな視点で検討してみることも必要ではないでしょうか?